永い言い訳 腰を振っている最中に浮気相手に「ばかな顔」って言われる主人公
永い言い訳 鑑賞した。
仕事を定時であがり、すこし余裕のある平日の夜。
アマゾンプライムにて見つけ鑑賞。
思いもかけずかなり夢中でみてしまったので感想をばここに記す。
この映画で気に入ったのは以下の3つの点。
1.主人公がダメダメすぎて痛快。
この主人公、ダメダメなんですわ。ダメ男。
しかし、世間的には作家として成功しているというよくある設定。
妻が死んだあとも責任を感じ泣きながら浮気相手に情事をせまり、
腰を振っている最中に浮気相手に「ばかな顔」って言われる主人公。
これはきくわー!!!かなりきくと思う。こんなこと言われたらもう今後セックスできないんじゃないかと思うくらい。
まぁね、嫌なことから逃げるには浮気相手とのセックスしかない主人公ですから、
こんな状況でもしたい気持ちはわかるんですけどね(わかるんかい)。
いつもは一人称で僕とかいうし子供にも優しげなのに、お酒がはいるととたんに地が出て横暴になるのも面白かった。子供の誕生日パーティーでもむつけて酔って、パーティーをさんざんにしていたし、もうこの人はお酒を飲まないほうがいいんじゃないかと思う。浮気もお酒も現実逃避、というか自分から逃げる手段なのね。この人にとって。
しかし私、この主人公にかなり親近感を感じた。
なぜか。
この主人公、自分の子供を残すことに対して恐怖しているが、この気持ち私もわかる。自分の遺伝子、コピーを残すことに不安になる気持ち。私も小さいころからいろいろなコンプレックスを抱えて生きてきた。そんな私の子供を世に送り出しても、その子は私の子供らしく、私と同じような悩みを抱え苦しんでいきるのではないか。
そう考えると自分の今までの負の部分を再度この世に復活させる、または増やすような気持になってしまう。
まわりの友達が結婚していく中で、こんな悩みが頻繁に頭をよぎる最近である。
私も愛すべき人を愛せない人生になってしまうのかなぁ。
2.竹原ピストルがよかった。
この人の曲はテレビでみたことあったけど俳優のほうは初めてみた。
引き込まれたのは、主人公に暗闇でぐっと近づいて「初対面なのに~」っていうシーン。とにかくよかった。リアルだった。
3.詩的な演出
劇中にときどき印象的なシーンが挿入されているが、それがよかった。
たとえば、お花見中に悪酔いして暴れた主人公が虚無感に襲われて
たった一人あひるさんボートをこぐシーン。陰鬱で重い音楽とともに池のシーンに突然切り替わり、うつろな表情であひるさんボートをこぐ主人公の絵。
普通こがないよ。しかもプライドの高い主人公のことだし、アヒルさんボートって。
映画の作り手のメッセージに対してわかりやすく反応できるポイント。
この映画、数秒だけど印象に残る抒情的なシーンが他にもたくさんあるから、
そこもこの映画を美しいものにしている要素だと思う。
まぁ、こんな感じで大きく3つの点からこの映画を楽しむことができた。
この映画を観終わったあとも時間があったから、もう一本映画をみてこの日は寝た。