ポンズが死ぬ必要はなかった!戦犯のハンターハンター旧アニメ製作陣が軍艦島編で犯した罪と罰
どうも、さっきまで燃えるほうの燃の修行をしていましたクロです。
今回の記事はポンズがあの場面でやられた本当の原因が、実は旧アニメのオリジナルエピソードにあったのではないか、という考察です。
ポンズの死の謎
ポンズってこんなキャラ
まずはポンズのキャラ設定について振り返ってみましょう。
287期のハンター試験受験者であり、第四試験では狩るものと狩られるものにてレオリオのターゲットでした。一方で彼女自身のターゲットは蛇つかいバーボンでしたが、結果的にバーボンを殺害したうえにプレートゲットには失敗し、ハンター試験に落ちています。
彼女は蜂使いでもあり、かわいらしい帽子の中には無数の蜂をひそめています。しかしバーボンの蛇に驚いただけで蜂攻撃を暴発させてしまうなど、改善の余地が見受けられる面もあるようです(この時点で念能力を使えていたかは不明です)。
しかし我々ハンタ読者における彼女の印象を決定づけているのはあのシーンでしょう。ずばり、後のキメラアント編冒頭部での蟻による銃殺シーンです。ポンズはプロのUMAハンターとしてNGLで活動するポックルに同行していました。そこでキメラアントの襲撃に合い、命を落としてしまいます。
これを読んだ時私は「え、ポンズ死ぬの?この敵だれ?ていうか銃でやられたよ?」とショックを受けたことを覚えています。同じ感想を抱いた読者も多いのではないでしょうか。
ポンズは命を落としてしまうものの、自らの蜂にメッセージを託します。その蜂は無事カイトの元に届き、劇中でポンズはメッセンジャーとしての役割を果てして退場します。
ポンズって死ぬ必要あった?
ここまでの流れを整理して私、思うんですよ。
ポンズって死ぬ必要ありましたか?
キメラアントの念習得のきっかけとしては、ポックルのみで構わないはずです。また、カイトたちをNGLに向かわせるだけなら、ポンズの蜂である必要はありませんよね。
もっと言うなら私たちは、NGLでポックルとポンズが一緒にいること自体に違和感を感じるべきです。ハンター試験編を思い出してみてください。ポックルとポンズって関わりがありましたか?
まったくないんですよ!
その二人がなぜハンター試験後に一緒に仕事をしているのでしょうか。冨樫先生にして珍しく何の伏線も脈絡もありません。
私達読者としてもNGLで一緒にいるポンズとポックルをみて「なんだよーポックルとポンズってできていたのかよー♥」と勝手にニヤニヤするのみに終止してはいないでしょうか
なぜNGLでポンズはポックルに同行し、さらに命までも落としたのか。それを解き明かすカギは旧アニメのオリジナルエピソードである軍艦島編にありました。
ポックルとポンズは軍艦島で出合った
そもそも軍艦島とは?
軍艦島編をみたことのあるハンタファンはどのくらいいるのでしょうか。軍艦島編は旧アニメにおけるオリジナルエピソードです。
1998年の原作の連載開始から一年ちょっとでアニメ化されたために原作に追いついてしまわないようにアニメオリジナルの描写が多いが評判の良いものが多く、中でもハンター3次試験と4次試験の間の「軍艦島」のエピソードはアニメオリジナルであることを抜きにして純粋に『HUNTER×HUNTER』のエピソードとしても評価が高い。
原作のみ、または新アニメのみチェックしている方はご存じないと思いますので、ここで少し軍艦島編を紹介しておきます。時系列的に言うとハンター試験編において第三試験から第四試験の間に発生する+αの試験となっています。
第四試験に向かう途中、ある古い巨大な戦艦に取り残される受験者たち。途方にくれるのもつかのま、夜には嵐がきてこのままでは皆が海の藻屑と消えてしまう。そこで受験者たちは互いに協力して戦艦を復活させ、この窮地を乗り越えようとしますが……、という内容です。
この軍艦島編の面白さは受験生たちが一丸となって苦難を乗り越えようとするところにあります。試験中はお互いにライバルである彼らですが、嵐というピンチを前にしてハンゾーがリーダーとなり、それぞれ協力しあう展開はかなりアツいものがあります。
旧アニメが誇る軍艦島編の魅力
ここですこし脱線して、この軍艦島編の見所を紹介しましょう。何を隠そう、私クロがこの軍艦島編の大ファンなのです。
軍艦島名シーン① ゴンを助けるゲレタ
原作では第四試験でゴンのプレートを狙ったゲレタですが、軍艦島編では重機を操作して海に溺れそうになるゴン達を救うというちょっといいシーンがあります(これは直前にゲレタ自身がゴンに窮地を救われており、その借りを返したという設定のようです)。
軍艦島名シーン② 軍艦の大砲で竜巻を射抜くスパー
原作では第四試験でスナイパーライフルにてイルミを狙撃するものの、逆に返り討ちにされてしまうスパーさんですが、この軍艦島編では大砲を操って竜巻の進路を変えるという荒業を披露してくれます。
軍艦島名シーン③ 最後の最後でいいとこ取りするイルミ
物語ラストで軍艦の舵取りをするクラピカが、船が傾いた衝撃で頭をぶつけて気を失ってしまいます。遠のく意識の中でクラピカが目にするのは、自身の代わりに船の舵取りをし、土壇場でチーム全体のピンチを救うイルミの姿でした……。
いかがでしょうか。かなり胸アツなシーンが盛りだくさんの軍艦編なので、これを機会に皆さんもぜひご覧ください。
手を握り合うポックルとポンズ
そして皆が命をかけて試練を乗り越えようとしてるなかで。
いた。
ポックルとポンズが。
いた。
いや、イチャイチャしているわけではありません。作中ではポックルとポンズが協力して軍艦のエンジンを修理するシーンがありました。
いざ修理が終了しエンジンを動かすタイミングになって、ポックルがその責任の重さに耐えかね、エンジンの作動を躊躇ってしまいます。
それを見たポンズがポックルの手の上にそっと彼女の手を手を重ね、一緒にレバーを引き無事にエンジンは作動する、という名場面に仕上がっています。
原作では全く関わりのない彼らでしたが、このアニメオリジナルエピソードである軍艦島編でのみイチャイチャ関わりあいがあるのです。見ているほうも自然に受け入れられてしまう、いわば「お似合いの二人」感すら感じてしまいます。
これを根拠にわたしは次の説を提唱します。
それは「冨樫先生の中ではポックルとポンズが一緒に活動する設定はなかった。しかし、この軍艦島編を見て、あるいは製作に関わるうえでポンズポンズというコンビのイメージが出来てしまった。
よってキメラアント編における重要な役割として二人を一緒に登場させ、また永久退場を命じた」
原作のハンター試験編では何も関わり合いがない彼らにおいて、唯一接点があるのが軍艦島編です。このことを考えるとわたしの説は充分に信憑性があるのではないでしょうか。
冨樫先生はクロロヒソカ戦の解説において「ヒソカはマチを殺したがっていた」などと天才じみた発言をしていました(単行本34巻参照)。ポックルポンズたちの死亡においても「ポンズはポックルと最後まで一緒にいたがっていた」などと考えて、あのようなストーリーにした可能性があります。
まとめ
ポンズはキメラアントに殺されたんじゃない。冨樫先生のせいでもない。
「ここでポックルとポンズの協力シーンを入れましょう」と企画した旧アニ製作陣によって殺されたんだ!!
追記
この記事をお読みになって軍艦島編に興味を持たれた方はぜひご覧になってみてください。ゲレタを救出にきたゴンがいう「助けに来たよ」のセリフが、むちゃくちゃ胸キュンポイントになっております。ほかにも上記で紹介したように名場面がたくさん盛り込まれています。